保育園でも取り組むべきノンコンタクトタイムの作り方【保育者を守る】

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瓶に飾られた四つ葉のクローバー

どうも!保育士園長のまゆあです。

今回は「ノンコンタクトタイム」についてです。

みなさんはノンコンタクトタイムという言葉を聞いた事がありますか?
ノンコンタクトタイムとは、保育においてこどもに接しない時間の事を言い、こどもたちの保育以外の業務を行う時間になります。

近年、ノンコンタクトタイムの重要性は増しており、保育者をはじめ、職員の負担を減らすことができる大事な考え方になっています。

しかし、様々な理由からそんな時間なんて作れない!といった声があるのも事実です。

保育士園長まゆあ
そこで今回はノンコンタクトタイムをどのように作っていくのか、その作り方や良い点を紹介していきます

いまりちゃん
今後取り組みが広がっていくと予想されますので、ぜひ覚えておきましょう

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ノンコンタクトタイムとは?

ノンコンタクトタイムという言葉はまだ聞きなれない言葉のように思います。

ノンコンタクトタイムとは、書類作成など、保育者がこどもの保育以外の業務を行う時間の事を指します。
コンタクトは「接触」とか「連絡」などの意味があり、それにnon(非)がつくので「非接触の時間」という風に訳すことができます。

ノンコンタクトタイムを導入することで、こどもたちから一旦離れることになります。
その為、保育者が一瞬心を休めたり、書類作成などの業務を勤務時間内に終えられる様に取り組む事ができるようになるのです。

特に気持ちを整えるという意味では非常に有意義な時間でもあり、保育者自身が冷静になる事で保育の振り返りを行う事もできます。

今はまだ導入する園が少ないようにも思います。
しかし、一方で確実に取り組む園が増えています。
ホームページなどで導入していますと明記している保育園もありますね。

私の園でも確保できるように努めていますし、まとまった時間が取れなくても、まずは「ちょっと抜けて作業してきます」といった時間を少しでも作れるように考えてもらっています。

「ちょっと抜けて」が「しっかりとまとまった時間作業できる」という風に変化すると、ノンコンタクトタイムが浸透してきたと言えるかなと思います。


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ノンコンタクトタイムを阻むもの

保育士園長まゆあ
ノンコンタクトタイムが浸透しないのは、いくつかの理由があります

保育士の配置基準

保育士の配置基準は現在この様になっています。

・0歳児3人につき保育士1人
・1、2歳児6人につき保育士1人
・3歳児20人につき保育士1人
・4、5歳児30人につき保育士1人

これは国で定められた基準です。
加えて休憩要員などで+1名以上の保育者を足した人数が配置されています。
また、自治体によってはこの人数よりも多くの職員配置を設定している所もあります。

あくまでも最低基準ですので、これを下回らなければ良いというわけなのですが、保育業界の中には人件費の節約でギリギリの職員しか配置しない事業者も多くいます。

もちろん、保育士不足と言われている世の中ですから、中々採用に繋がらない事もあるでしょうし、配置したくてもできないと言う保育園も多くあると思います。

しかし、最低限の人数しか配置しないという事は「保育を行うだけで精いっぱい」という事でもあります。

そうなると到底ノンコンタクトタイムを作るという事が難しくなります。

業務量の多さ

次に考えられるのが、「業務量の多さ」です。
業務の多さを理由にして取り入れる事に消極的になる事もあるでしょう。

保育者は保育を行っていれば良いわけではありません。
保育以外にも書類作成や清掃作業、保護者支援など様々な仕事があります。
「こどもと遊んでいるだけ」とか「誰でもできる」と言われがちな仕事ですが、そんなことは決してありません。

業務量の多さに慣れてしまうと、仕事に対してのモチベーションが上げづらくなります。
また、そもそも時間を確保しようという意欲も湧きません。

「どうせ取れないからいいや」という考えに陥ってしまうと何も改善できないですよね。

業務量の多さは離職の原因にもなります。
特に年度途中で退職されてしまうと、現場的には大きな痛手です。
結果人数が減ってしまうと、時間を作る事すら難しくなってしまいます。

未経験の事に対する重い腰

保育園や保育者などが「今までの経験上行ったことがないから」という理由でノンコンタクトタイムを導入しないという事も考えられます。

新しいことを進めていくと、様々な問題が発生する事も少なくありません。
その問題解決に時間がかかったり、糸口がつかめないなど、当事者にとってはつらい状況になる事もあるでしょう。

新しい事はやってみないと分からない事でもあります。
しかし、問題発生を予想して気持ちが前向きにならない方もいらっしゃるでしょう。

初めての事に対して積極的に取り組もうと考える人は、もしかしたら少数派なのかもしれません。

保育士園長まゆあ
重い腰を上げるのは中々しんどい事です
いまりちゃん
確かに強い気持ちを持たないと取り組めないですね

未経験の事だからという理由は、ノンコンタクトタイムを導入しない理由に十分なるのです。


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保育園におけるノンコンタクトタイムの作り方

ノンコンタクトタイムを作る為には様々な取り組みを行う必要があります。
一つずつ見ていきましょう。

業務内容の見直し

まずは業務内容の見直しを行いましょう。

保育業務は多岐に渡り、とても多いと思います。
ここで気をつけたいのが多い状態に慣れてしまっている事です。

常に多くの業務を抱えているといつの間にかその状態に慣れてしまったり、改善しようとする気持ちが失せてきてしまいます。

そうなるといつまでたっても時間を作る事はできません。

・減らせる書類は無いか
(無駄に書いていた書類の廃止等)
・無くしても問題ない業務は無いか
(行事の見直し等)
・簡素化できるものは無いか
(掃除の仕方等)
・効率良くできるものはあるか
(ICTの導入等)

上記はサッと思いついたものですが、これを考えるだけでも違うと思うんですよね。

今まで業務が滞りなく行われている場合、それを変えるのは抵抗があって当然です。
しかし、検討もしないままだと何も変わらないのではないでしょうか。

検討した結果、今まで通りの方が良いという結果になる事もあるでしょう。

保育士園長まゆあ
その場合は別の原因を模索してみましょう

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人員配置の見直し

人員配置の見直しも時間を作るためには必要な事です。

時間帯別の人員配置を出すことで、特定の時間帯保育者が偏っていないかを確認します。
こどもたちの人数と保育者の人数がアンバランスな状態であれば、それを是正することで他の時間帯に人を配置する事ができるでしょう。

それぞれの園にいる職員が、どの時間帯に人がどれだけいて、こどもたちに対する基準に対してはどうかなどを明確にする必要があります。

すぐに人を増やせるかと言ったらそうではありませんし、まずは今いる職員でどうにか時間を作れないか考えていきましょう。

もちろん、保育者をサポートするために短時間勤務の方を採用するのも一つの手です。
各事業者の判断になると思いますが、今後、ノンコンタクトタイムを推進していくのであれば、必要な対策になりますね。

意識の向上と周りの配慮

ノンコンタクトタイムを作る!と決めたら、作れるように意識してみましょう。
すると、今まで作れなかったのに時間が作れたりします。

というのも、意識するだけでその目標に向かうのでおのずと作業が早くなったり、時間を意識したりするようになるからです。

また、時間を作る為に周りの方が配慮しあう事も必要です。
配置基準を満たしたうえというのが前提ですが、保育から抜けられる様に周りも促していくと意識が高まると思います。

私の園ではホワイトボードに時間別で職員配置が分かるようにしており、それを主に考えるのは中堅の保育者たちにしています。

中堅クラスに考えてもらっている理由は、現場にいる保育者が考える事で意識付けをしたり、実態にあった時間の使い方ができると期待したからです。

その結果、自分たちで保育から抜けて時間を作る事ができるようになりました。
園長が考えるとどうしても実態にそぐわない決定になる事がありますからね。

職員一人一人が意識すると、状況が変わってきますよ。


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取り組む事で労働環境を改善する事ができます

ノンコンタクトタイムを作る為に様々な取り組みを行う事は、職場の労働環境改善にもつながります。

保育はただでさえ大変な仕事です。
ずっと一生懸命やっていると、どこかで気持ちの糸が切れてしまう事だって十分にありえます。
気持ちの糸が切れた時に、大変なままでは心身がボロボロになってしまうと思いませんか?

気持ちの糸が切れてしまう前に、落ち着かせることができる環境を作る事は大切な事ですよね?
ノンコンタクトタイムを作る事はその大切な事の一つと言えます。

また、業務時間内に書類や製作準備などを終えられる様になれば、持ち帰って仕事をしたり、サービス残業をする事もなくなっていきます。

持ち帰りの仕事やサービス残業があるとなると、保育者の労働環境としてはあまり良くないですよね。
こうした環境も変えることができます。

他にも、ノンコンタクトタイムを活用して会議を行う事もできるでしょう。
会議をこどもたちの降園後に行うケースは少なくありません。

降園後となると、長時間園に残る事が前提ですので、好ましくはないでしょう。
時間内で情報の共有がおこなえた方が職員への負担は少ないですからね。

労働環境を完全に改善する事は難しくても、改善の一歩目として行ってみる価値は十分にあると思いますよ。

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保育者を守る為にも取り組んでいこう

ノートを書く女性

この様にノンコンタクトタイムを作る事は、最終的には保育者や働く職員を守る取り組みになります。

労働環境の大変さは離職の原因にもなります。
嫌な気持ちで辞めてしまうと、二度と保育士として働こうという気持ちにならないのではないでしょうか。

人はずっと全力を出す事はできません。
時に休憩をはさむことだって必要ですし、保育者が現場から離れる時間をしっかり確保する事も大事です。

そこで必要なのがノンコンタクトタイムなのです。

いますぐ改善が難しくても、まずはどうしたら時間を作る事ができるかを考える事が初めの一歩になります。
その一歩が環境改善につながります。
やらない手は無いと思います。

ぜひとも一つでも多くの保育園が取り組めるように願っています。

あわせてチェック

こちらでもノンコンタクトタイムについてお話しています。



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