どうも!保育士園長のまゆあです。
今回は保育園の備蓄品の中でも必ず用意しておきたい「アルファ米」について書いていこうと思います。
日本は地震や台風など、災害が起こりやすい国です。
いつ起こるか分かりませんので、普段からの備えが大事になります。
もちろん、保育園でも災害に対する備えをしています。
その中には食料品も含まれており、大体の園ではアルファ米を備蓄品のリストに入れていると思います。
災害時に手軽に食事を摂る事ができるアルファ米。
災害時に力を発揮するアルファ米は必ず用意しておきたいところです。
ここでは保育園の備蓄品としてアルファ米をなぜ用意すべきなのか、その理由を5つにまとめたので紹介していきます。
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保育園の災害用備蓄品にアルファ米は必須です
アルファ米とは?
アルファ米(アルファ化米)とは、wikipediaでは以下の通り定義されています。
アルファ化米(アルファかまい)とは、炊飯または蒸煮(じょうしゃ)などの加水加熱によって米の澱粉をアルファ化(糊化)させたのち、乾燥処理によってその糊化の状態を固定させた乾燥米飯のことである。
(アルファ化米 wikipedia 2020.8.28閲覧)
アルファ化米は熱湯や冷水を注入することで飯へ復元し可食の状態となり、アルファ米とも呼ばれる。
(アルファ化米 wikipedia 2020.8.28閲覧)
水を入れるだけで乾燥したご飯が食べられる状態に復元するお米になります。
これはものすごく手軽に食事できることを意味しています。
まさに、災害時にうってつけという訳です。
様々な場所で使用されています
災害時に備蓄しておく食料品の代名詞は乾パンでした。
しかし、乾パンは小さいこどもが食べられないといったデメリットもあるほか、お米が食べたいという意見も多くありました。
日本人は昔から米を食べていたので、この様な意見がでるのは当然ですね。
アルファ米はそのデメリットをカバーできるものです。
小さなこどもでも食べられますし、手軽にお米を食べる事ができます。
その手軽さから、今やどこの自治体でも常備されていますし、保育園や学校、介護施設などといった施設から、一般企業の備蓄品など、多くの所で採用されています。
2007年にはなんと宇宙食にも認定されています。
このことからも幅広くアルファ米が活躍しているのが分かりますね。
保育園では災害時において小さなこどもたちに食事の提供を行います。
少しでも手軽に、かつ満足感がある物が望ましいと思いませんか?
アルファ米を備蓄しておく事でそれが可能になるのです。
アルファ米は尾西食品株式会社のものが有名
アルファ米(アルファ化米)を開発しているメーカーはいくつかありますが、自園で採用しているのは「尾西食品株式会社」さんのアルファ米です。
尾西食品株式会社さんはアルファ米など、長期保存食の開発に力を入れている会社です。
創業者が1932年に長年アルファ米の基となるアルファ化の技術を開発。
戦時中に海軍からの要請を受け、開発した技術を利用したアルファ化米の生産を確立しています。
いわばアルファ化米のパイオニア的な会社です。
近年では亀田製菓のグループ会社にもなっています。
亀田製菓自体大きな会社ですので、安心感もありますね。
他のメーカーからもアルファ米関連の商品が発売されていますので、入手しやすいものを使用して構わないと思います。
用意すべき理由①とにかく手軽
「とにかく手軽に食べることができる」事がアルファ米の最大の魅力になります。
作る工程は袋を開けて水(お湯)を入れる事のみ。
誰が作っても簡単にできます。
水の量を正確に測るのが難しいと思われるかもしれませんが、どこまで水を入れるか線が書いてありますので、迷う心配はありません。
水があればご飯を食べることができますし、お湯が用意できれば温かい食事も摂る事ができるでしょう。
災害時は緊張とストレスの連続です。
そういった時に手軽かつ温かい食事を食べられると、心がホッとします。
災害時はとにかく物資が不足しますから、できる限り簡単に食事がとれるように工夫されているのが特徴ですね。
用意すべき理由②種類が豊富にある
アルファ米は白米だけでなく、味がついているものもあります。
例えば
・赤飯
・ドライカレー
・五目ごはん
・おかゆ
他にも様々な味があります。
白米だけでは飽きてしまいますが、色々な味がある事で食事の楽しみが増えるかもしれませんね。
様々な味がある中でも、特に五目ごはんで使われている食材は、普段給食でも出ている食材が使われていますので、安心して使用できると思います。
また、アレルギーを持つこどもへの対応もできます。
袋にはどんなアレルギー物質が使われているのかもしっかりと明記されていますのでしっかりと確認できます。
白飯の他に、わかめご飯や赤飯、おかゆなどは特定原材料等27品目不使用製品になっていますので、こういったものも用意しておきたいですね。
災害時にアレルギー児への対応ができないと困ってしまいます。
忘れずにしっかりと準備しておきたいですね。
用意すべき理由③味が安定し、アレンジもできる
水があれば作る事ができるアルファ米。
作る工程はそれだけですので、水の量と時間を間違えなければほぼ同じものができあがります。
安定して同じものが食べられるのは良い点ですね。
また、お米ですので様々なアレンジがしやすいのも特徴です。
・カレーライス
・混ぜご飯
・丼もの
プラスのトッピングで様々なアレンジができます。
アルファ米+カレーライスはその代表例。
カレーが大好きなこどもは多いですからね。
他にもパウチされたものや、缶詰なども用意しておきたい所です。
また、園によっては災害時の献立を考えている所もある様です。
献立例としては…
・わかめご飯、豚汁
・アルファ米+そぼろ缶詰、みそ汁
こういったイメージですね。
同じものばかり食べるとどうしても飽きが来てしまいます。
もちろん、災害時に食べるものですので、仕方ない部分はあると思いますが、様々な食事が出る事で、こどもたちや職員の楽しみの一つにする事ができるのではないでしょうか。
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用意すべき理由④食具などがセットになっている
アルファ米にはスプーンがついており、手元に食具が無くても食べることができます。
何も用意しなくても食事ができるのはありがたいことですよね。
また、炊き出しセットというものには必要な食具だけでなく、その他の道具もセットになっています。
手袋やしゃもじ、ご飯を入れる容器や輪ゴムなどがセットされており、一人でも十分配食できるようになっているようです。
まさに「炊き出しをする為に用意されたセット」ですね。
それぞれの道具を別々に用意するのも良いですが、こうしてまとめられていると災害時に役立つと思います。
炊き出しセットは1つずつ小分けになっているわけではなく、50人分をまとめて作るイメージです。
1食ずつ小分けになっていると勘違いして購入する事例がある様ですが、保育園では大人数の食事を用意するケースが想定されるので、こういったセットは非常に便利だと思います。
用意すべき理由⑤長期保存が少ないスペースでできる
災害用の備蓄は長期間保存がきくものでないと意味がありません。
ですので、5年間保存ができるアルファ米は備蓄に最適です。
他の備蓄用の食糧も5年間保存が可能なものが数多くあります。
1年や2年で賞味期限が切れてしまうものではすぐに買い替える必要があり、コストもかかってしまいます。
ですが、5年ごとに一気に買い替えるとなると費用も多く必要になってしまうので、毎年少しずつ入れ替えられるように調整していきましょう。
また、長期保存となるとある程度のスペースも必要になりますよね。
水はまとめることができないので仕方ないですが、その他の物はできる限り省スペースで保存できるものにしたいところ。
アルファ米炊き出しセットであれば様々なものがセットになるうえに、高さ180mm、横幅343mm、奥行333mmとA4用紙1枚半ほどのスペースで置いておくことができます。
一坪で1万5千食以上の備蓄も可能とのことですので、かなりの省スペースで十分な量を保管しておくことができます。
これは大きなメリットですね。
実際にアルファ米を食べてみた感想
こうした備蓄品は、消費期限が間近に迫らないと買い替えないですし、食べる機会はあまりないと思います。
ですので、今回実際に購入してみて味や作り方などを見てみました。
購入したのは白飯と五目ごはんの2種類。
2020年の8月に購入し、白飯は2025年8月、五目ごはんは2025年9月が消費期限でしたので、購入時点で5年間保存ができます。
中身は非常にシンプル
袋を開けてみると
・スプーン
・脱酸素剤
この3つが入っています。
非常にシンプルな構成ですね。
スプーンと脱酸素剤を取り出し、お水(お湯)を入れて作っていきます。
脱酸素剤はアルファ化米に隠れていることも多いようなので、必ず探しましょう。
また、種類によっては調味粉末がついていることもあるので、それも取り出します。
実際のアルファ化米を見てみると、より乾燥させたお米って感じですね。
洗う前の炊飯器にこびりついたお米といいますか(表現悪い?)、普通のお米とはやはり違います。
保育園で活動を行うのであればお米とアルファ化米を用意し、こどもたちの前で見比べてみましょう。
見た目で違いが分かりますので、良い学びの機会になると思います。
水では約60分、お湯だと約15分で食べられる
アルファ米は水で60分、お湯だと15分ほどで食べられるようになります。
ご飯を普通に炊くと30分以上かかりますが、お湯だと短い時間で食べることができますし、何もない状態でも1時間待てば食事ができるとなると、アルファ米の便利さを感じますよね。
規定量は160mlでしたが、量を計らなくても良い様になっています。
また、線より多い量の水を入れれば、柔らかいご飯(おかゆ状)にする事もできます。
おかゆ状になると離乳食として赤ちゃんも食べられるようになりますね。
線の所まで水を入れたら底の方からかき混ぜ、チャックを閉めます。
あとは規定時間待つだけです。
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気になる味は…?
さて、既定の時間になったので盛り付けてみました。
見た目は普通のご飯ですね。
食べてみると分かりますが、規定量の水だとやや柔らかく感じました。
このあたりは調整すれば何とかなるでしょう。
今回買った2種類のアルファ米のうち、五目ごはんはお湯で戻したのと、味がついているので美味しく感じられました。
一方、白飯は水を使ったので冷たくねっちょりした感じでしたが、カレーなど濃いめの味のものを加えると良いと思いました。
ですので、白飯はカレーなどをかけて食べる用に、味付きのものは味噌汁など汁物と一緒に食べると良さそうです。
水とお湯、どちらが美味しいかと言えば、お湯を使用した方が方が断然おいしいです。
ですので、お湯が沸かせる環境があればぜひお湯を用意してください。
戻す時間を間違えると、芯が残ります。
可能であれば一度試しに食べてみることをおススメします。
いざという時に食べられないようでは困ってしまいますからね。
災害時の食事に関する心配事
災害時の食事については、一つ懸念される事があります。
それは初めて目にする食事をこどもが食べてくれない可能性もあるという事です。
保育園の給食もそうだと思いますが、新入園児が園の食事に中々慣れない事はよくある事ですよね。
毎日目にして、徐々に慣れていって初めて自分から食べるようになります。
もちろん、食べるこどももいると思いますが、しばらくの間全く食べなくても不思議ではありません。
それは災害時の食事に関しても同じです。
災害用の備蓄を日常的に食べるわけにはいかないですが、訓練の時に食べてみるのも良いでしょうし、ご家庭でも常備がてら食べてみるのをおススメすると良いと思います。
緊急時に備えて普段から準備しておくことも大切ですね。
食料品の準備はしっかりと
災害時はとにかく物資が不足します。
保育園においてもそれは同じで、お預かりしているこどもたちと、勤務している職員を守るためにも、備蓄をしっかりしておかなくてはなりません。
ライフラインも止まるとなるとできる事がかなり限られてしまうので、備えをしっかりとしておきたいところです。
特に数日間お迎えが来れない様な災害が発生した場合、備蓄が無いと無事に過ごせなくなってしまいます。
園で預かるこどもたちを無事に保護者にお返しするためには、相応の準備も必要です。
今回は備蓄の中からアルファ米に焦点を当てて紹介をしました。
こうした便利な災害用品が世に出てくる背景には、様々な努力が積み重なっている事も分かりました。
災害時に手軽に食事がとれるアルファ米は備蓄には最適ですね。
しっかりと食料品の準備を行い、来る災害に備えていきましょう。