どうも!保育士園長のまゆあです。
今回のテーマは「急な退職による保育士不足」です。
・保育士が辞めない為に取り組みを行っている方
向けへの記事になります。
日本は依然として「保育士不足」が深刻化しています。
待機児童解消のために保育園を作っても、肝心の保育士が集まらずに開園が延期になったりするケースもあるようです。
大手の保育園でさえ悩む保育士不足。
新年度始まる前にどうに保育士を確保できても年度途中で急に退職してしまうケースもあるので中々難しい時代です。
年度途中で急に退職者がでてしまうと、保育園の経営側からすると大ダメージになることも。
対策を練っておけば良いのですが、出来る事にも限りがあったりします。
この記事では年度途中で急に保育士不足に陥らない為の対策や私が取り組んでいる事も紹介していきます!
※年度途中の退職が悪いという意図の記事ではありません。
あくまでも保育士不足にならない為の対策を紹介する為の記事になります。
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年度途中の急な退職で保育士不足に陥った経験はありませんか?
保育士不足が国の問題となっている今、どうにか配置基準をクリアした状態でスタートしても年度途中の急な退職により保育士不足に陥るケースがあります。
退職の理由が何であれ、途中で保育士が欠けてしまうのですから、園にとっては大きな痛手になります。
私の園ではそういった事態になっていませんが、グループ園の中には2カ月連続で保育士が辞めてしまい、大変な事になった事例もあります。
本来であれば年度末まで辞めない前提で採用しているはずですので、退職されてしまうとすぐに代わりの保育士を見つける事は非常に困難です。
特に新年度始まってすぐに退職者が発生してしまうと代わりの保育士の採用を行うのはとても難しいです。
次からは年度途中で退職してしまう原因を考えていきます。
年度途中の退職にはいくつかの原因があります
職場の人間関係
まず、退職の原因となりうるのが「職場の人間関係」です。
保育業界に限った話ではありませんが、職場の人間関係の善し悪しは働きやすさに関わってきます。
あなたは人間関係が悪い職場で働きたいと思うでしょうか。
私だったら働きたくないと思いますし、みなさんも同じ意見を持つと思います。
保育園は人と人が関わり合って成り立つ場所ですが、事例を見ていると陰湿な職場も存在する様ですので、そういった職場は離職する可能性が高い職場と言えるでしょう。
賃金に見合わない業務量
保育園の環境に慣れてしまうと見えづらいものですが、
業務量が多いのも離職の原因になります。
業務の多さは人を疲弊させます。
初めは気力で頑張れたとしても、徐々に疲れがたまっていき、
頑張る事ができなくなってしまいます。
終わらないからと言ってサービス残業などが続いてしまうと長く働く事に慣れてしまい、
心身ともにボロボロになってしまうのです。
更に保育業界はお世辞にも給料が良い業界とは言えません。
全業種の平均よりも10万円以上差がある中で、激務をこなすことが割に合わないと感じる方も多くいるのもまた事実です。
保育士自体が嫌になってしまう
仕事が激務で人間関係も悪いとなると
保育士という職業自体が嫌になってしまうこともあります。
保育士が嫌になって急に辞めてしまうとお互いに後味が悪くなってしまうと思いませんか?
現役保育士の人数と潜在保育士の人数を比べてみると分かりますが、
保育士資格を持つ人の数が約120万人いる中で、潜在保育士の数は約80万人いるとも言われています。
様々な理由があれど、資格を取っても保育士自体が嫌になってしまうと今後保育士として働く可能性が限りなく低くなってしまいます。
保育士として働かなくなるということは、その園だけでなく保育業界全体の損失にもなってしまうのです。
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妊娠や出産
保育士は女性が多い職場です。
年度初めは予定していなくても途中で妊娠が発覚するケースがあります。
妊娠初期は安静にするのが鉄則な一方で、保育士の仕事は動き回る事が多いのでとても安静に出来る様な仕事ではありません。
また、つわりなど体調の変化が激しいので欠勤してしまう事もあるでしょう。
周りのフォローも必要になりますが、休みたい時に休めないとなると
妊娠された方は体調を優先して退職の道を選んでしまう可能性が高くなります。
デリケートな事ですので、最悪の場合流産してしまったという事態になれば、
本人も周りの職員も傷ついてしまう可能性もあるのです。
(妊娠や出産すること自体が悪いという訳ではありません。あくまでケースとしてありますという事です)
転勤や介護など家族の問題
こちらも同じく女性が多い職場であることが関係してきますが、配偶者の急な転勤や家族の介護が必要になったというケースで退職するケースもあります。
私の園でお預かりしていた園児も父親の急な転勤により急に退園した方がいました。
お母さんも急すぎて困っていたようで、退園の報告を受けてから退園日まで大変そうにしている姿を目にしています。
また、家族で介護が必要になって退職するケースもあります。
介護は仕事をしながら行うのにすごく労力と体力がいるものです。
仕事は続けたいけど泣く泣く辞めなくてはならないといった事が発生することもありえます。
急に保育士不足に陥らない為の対策は?
業務量を削減する
仕事が大変という理由での退職を防ぐ為には、業務量の削減を目指しましょう。
保育士業務は意外と無駄な物も多かったりします。
また、業務内で終える事ができず持ち帰るケースもあるでしょう。
家に持ち帰ってまで仕事をする必要がありますか?
私はそうは思いません。
行事の数や内容を減らす、書類などの書きものの内容を工夫する、
保育内容や流れの見直しをするなどで十分変わる事ができるはずです。
たまに
「昔は持ち帰ってでもやってきた」
とか
「休憩なしでやるのが当たり前」
みたいに話す方もいますが、昔は昔、今は今です。
働き方の意識は大分変りました。
今は負担を減らそうとする時代になっていますし、
無理してやるくらいなら他の業種に行こうと考える方も多くなりました。
負担が増す様な取り組みは行わない方が良いと思います。
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労働環境をしっかりと整える
保育園でよく聞かれる悪い点として「サービス残業」や「休憩が無い」事が挙げられます。
こういった点を解消していきましょう。
業務量が減らすという取り組みにも繋がりますが、仕事量が減ればサービス残業を無くせるかもしれません。
休憩だって今より取れるかもしれません。
定時で帰れる仕組みになれば、それだけで働きやすさは変わるはずです。
他にも労働環境としては保育士室内もそうですが、事務所をはじめとした保育スペース以外の場所を綺麗にする事も大切です。
変なところで休憩させられるよりも落ち着いて休憩できるスペースを作った方が良いですし、
備品なども揃えられると気分も違うと思います。
それだけ環境面の整備は大切なことなのです。
よく話しをして良好な関係作りを行う
職場の人間関係は雰囲気にも直結する大事な部分です。
お互いに沢山話して良好な関係作りを心がけましょう。
私が園長になってから絶対に心がけている事が「良好な人間関係を作る」ということです。
その為にはとにかく話しやすい雰囲気作りを作ることを意識しています。
保育の話しでも休憩中の会話でも壁を作らないで話せるという環境はある意味理想ではありませんか?
一方で、心無い事を言ったりする保育士さんがいるのも現実問題としてあります。
ここを見ている方々の中にはそういった方はいないと思いますが、
こういったケースが存在する保育園では何となく職員間に壁を感じたりするものです。
せっかく働くなら良い人間関係の職場が良いに越したことはありません。
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余分な人員配置を心がける
保育士レベルでは難しいですが、退職を見込んだ採用計画も急な保育士不足に陥らない為の対策になります。
あらかじめ多くいれば急な退職が発生しても大丈夫!ということです。
とはいえ採用するにもお金がかかりますので、むやみな採用が行えないのは分かっています。
しかし、早番だけの保育士パートさんがいるだけでも勤務体制に余裕が生まれたりするので、可能なら配置できると良いですね。
余分なし、ピッタリの勤務体制は職員の心の余裕が生まれません。
保育士も人間ですので体調を崩す時があります。
一気に苦しくなる事もあり得ますので、何事にも余裕を持っておきたいですね。
保育士の現状をしっかり把握する
年度の中で職員との面談を行うと思います。
そこで、何気ない会話から保育士の現状を把握しましょう。
・結婚したての方だったら子どもが欲しいと願うのはごく自然な事です。
・介護を予定しているという話を事前に聞いておけば対応も可能でしょう。
・将来考えていることが分かればそれに沿って採用計画を考えられるかもしれません。
保育においての現状もそうですが、私生活においてもどんな状況にあるか
可能な限り把握しておくことは、急な保育士不足を避けられる方法の一つになるでしょう。
私が取り組んでいる事
私は上記のうち労働環境改善を中心に行っています。
今は認可園で園長をしており人数的な部分は問題ないので、
もっと働きやすくなる為にはどうしたらいいかを中心に考えています。
今は…
・負担になっている行事は無いか
・保育内容に無理はないか
・書類の書く量が多くないか
・残らないで勤務する為にはどうしたらいいか
・風通しの良い職場になっているか
などを頭に置いています。
残業に関しては「帰るんだよ~」と声をかけても中々帰ろうとしないので引き続き浸透させていく必要はありますが、
残って作業しても疲れるだけなので、翌日リフレッシュされた状態で作業する方が良いと思っています。
(もちろん理由があっての残業は認めています)
あとは少しずつ形にできているかなと思ってはいますが、今後も定期的に振り返って考えたいと思います。
全員が年度末までそろって保育できる環境を目指して
保育士一人ひとり人生は様々ですので強制する事はできませんが、
全員が年度末までそろって保育に携わり、
退職者なしで次年度を迎えられる事が理想です。
職員が安定していれば、より安定した保育園作りを行う事ができますし、
子どもたちも安心して過ごす事ができます。
年度末を見据えて保育を行える環境を目指す事は悪いことではないですし、
子ども・保育士をはじめとする職員のことを考えたらやるべきことでもあります。
一人一人が協力し合い、最高の職場作りを目指してみませんか?
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