待機児童ゼロを達成した後に起こる保育業界の〇〇問題

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保育室内でボールを投げる女の子

どうも!保育士園長まゆあです。

今回は待機児童ゼロ達成後に起こる問題について触れていこうと思います。

さかのぼること5年ほど前、待機児童の問題は多くの自治体の問題として取り上げられ、国との課題の一つとしても挙げられていました。

一方、2022年現在では待機児童が解消傾向にあり、待機児童0を達成する自治体も増えました。

待機児童が解消される事自体はいい事だと思います。
しかし、その裏では新たな問題も取り沙汰されています。

そして、その問題は保育業界にとって無視できる問題ではありません。

記事ではどんな問題が起こるのか現状に触れながら、今後のことについても書いていきます。
保育者さんにとっても大事な問題ですので、ぜひ考えてもらえたらと思います。



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待機児童解消の裏で起こる定員割れ問題

入園待機通知書

国が待機児童解消を目標に取り組みを行った結果、現在では待機児童ゼロを達成する自治体が増えてきました。

東京都23区内においても半数ほどの自治体で待機児童ゼロを公表しており、一つの節目を迎えていることが分かります。

その裏ではある問題が保育業界を悩ませています。

それが「園児の定員割れ問題」です。
園児が定員一杯にならず、空きが出てしまう状態になっているのです。

保育園にとってこの状態は良い状態とは言えません。

なぜ良い状態といえないのか、次にお話ししていきたいと思います。



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定員割れが起きると補助金が減額になる

保育園は基本的に補助金をもらって運営をしています。

公定価格に基づくお金をいただいて運営しているわけですが、その算定方法が「毎月の在籍数×公定価格」なのです。

定員数ではなく在籍数となると、毎月1日に在籍していなければお金がもらえないのです。

これを分かりやすく書いてみると

50名定員で満床、公定価格が一人10万円だとすると
50名×10万=500万円の補助金50名定員で45名入所、公定価格は同じく10万円
45名×10万=450万円年間に換算すると50万×12ヶ月=600万円の差

上記の金額は例で、実際には地域や年齢でなどで異なります。

こうしてみると5人減るだけでかなりの差が発生することになるのが分かりますよね。
定員に満たなかった分減額になるので雇えるはずだった職員が雇えなかったり、環境整備ができなかったりと、運営面で支障が出てきてしまいます。

在籍する園児の減少=運営が厳しくなるという事を表しており、見過ごせない問題なのです。

いまりちゃん
この状態はどうにかならないのでしょうか?

保育士園長まゆあ
国の問題ではありますが、私たちにもできる事があるのでそれを次に紹介します



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定員割れ問題に対して保育園側でできること

滑り台を登る赤ちゃん

定員割れ問題に対して保育園側が何もしなくていいかと言ったらそうではありません。
何もしなかったら園が潰れてしまいますので、まずは何かしらの対策を行う必要があります。

入所してもらうための施策を考えて行う

定員割れを起こさない為には、まずは保護者の方に自身の園を選んでいただく必要があります。
現状でも各保育園は様々な手を考え、施策を実施しています。

保育士園長まゆあ
俗にいう「選ばれる保育園作り」というやつですね

入所していただくためにできることの例としては

・保育サービスの充実、拡充
(教育面の充実、保育内容の充実など)
・預かる条件を緩和する
(延長保育の実施、夕食の提供など)
・安全面の強化
(AEDや見守りカメラの設置、危険箇所の改修など)
・気軽に見学できる体制づくり
(園内の案内、園内イベントへのお誘い)
・見学者に対する特典を付ける
(保育サービスへの無料参加など)
・地域のニーズの把握
(待機児童の有無、地域の変化、新築マンションなど)

言葉を選ばずに言えば「園児の奪い合い」の状態になるので、施策を行っても全ての保育園が満足する結果にはなりません。

ただ、それぞれの自治体のニーズに合った取り組みを行わなければ淘汰されてしまいますので、選ばれる保育園作りを積極的に行っていく必要があります。

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補助金をもらえる取り組みを行う

自治体によっては独自に補助金の加算を行なっています。
その補助金を受けるには所定の取り組みを行う必要があります。

例えば子育て支援事業をしたら○○円、一時保育事業を行ったら××円といった具合です。
条件もありますが、何かしらの補助を受けられるのであれば行いたいところですよね。

一方で、取り組みによっては職員の負担増加が心配されますので、無理のない範囲で行うのが理想です。

国や自治体に要望を行う

国や自治体に対して要望を行い続けることも必要です。
地域を基盤にしている議員に対して要望書を送るなどの対応も必要な事でしょう。

これは保育園単体では中々難しい事もあると思います。
一方で自治体によっては私立園長会などで要望書を作って議員や関係各所に要望を出している例もあります。

国を動かしているのは政治家の方々ですので、私たちの想いをしっかりと訴えて理解してもらう事が大切です。



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保育業界は待ったなしの状況になっています

赤ちゃんを抱っこする保育士たち

保育業界は待機児童ゼロ達成に向けて、国の取り組みに協力してきました。

株式会社の参入から約20年あまり、その他にも認可外施設の拡充もそうですし、企業主導型保育事業もそうです。
急ピッチで施設を作り、園児の受け皿を増やしてきました。

そういった背景があるのにも関わらず、いざ待機児童ゼロを達成したら保育園が潰れても良いと言わんばかりの対応を取られています。

特に認可外保育施設はそう言った状況ではないでしょうか。
都内の保育園でも閉園するところが出てきていますし、地方の保育園は段階的に閉園の計画を立てているところもあります。

また、今後も少子化の波は止まらないと思います。
保育園を取り巻く環境は待ったなしの状態になっているのです。

本気で取り組まなければならない問題だと思うのですが、国が動く気配はありません。
(水面下では分かりませんが)

待機児童ゼロは喜ばしい事ではありますが、その結果定員割れをしてしまい、保育園の運営を左右する問題にもなるのは本末転倒です。

定員割れ問題に対して、一層の取り組みを期待します。



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