どうも!保育士園長のまゆあです。
今回は「保育指数」について解説していきます。
認可保育園に入所する際は必ず居住している自治体への申請が必要になります。
申請内容をもとに各家庭を点数化し、点数の高い家庭から順番入所が可能となる仕組みとなっています。(一部例外あり)
この時に点数化されたものを「保育指数」と呼び、入所の決定に使われます。
さらに、保育指数は「基準指数」と「調整指数」に分けられ、各家庭の状況によって点数が変わってきます。
今回は保育園入園で重要となる保育指数について解説していきます。
いくつかの自治体の基準表も参考に載せますので、比べてみる事をおススメします。
※本記事は令和2年度の基準を参考にしています。
また、自治体によって呼び方が多少異なりますが、記事では「認可保育園」「保育指数」「基準指数」「調整指数」として統一しています。
豊島区 保育所入所基準指数表
板橋区 板橋区保育利用の手引
世田谷区 保育の利用基準
千葉市 施設(事業)利用選考基準
川崎市 教育・保育施設及び地域型保育事業に係る利用調整基準
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認可保育園は各家庭の状況を点数化して入所を決定する
両親ともに共働きなどで家庭での保育に欠ける場合、保育園に預けようと思う家庭は多いですが、その時にまず預け先として候補に挙がるのが「認可保育園」です。
認可保育園の入所の仕組みは家庭の状況を点数化して選考する方式を採用しています。
ですので、誰もがすぐに入園できるかと言ったらそうではありません。
家庭ごとに状況は異なるはずです。
それぞれ状況が違う家庭を選考するには基準を示さなくてはなりません。
そこで使われるのが「保育指数」と呼ばれるものです。
さらに、保育指数は2つから構成されており、「基準指数」と「調整指数」の合計で入所の決定がなされます。
川崎市など一部自治体では点数ではない方式を採用していますが、基本的な考え方はどの自治体もほぼ同じです。
まずは点数の基本となる「基準指数」から
まずは両親の状況で基本の点数を算出する
まずは基準指数ですが、これは両親の状況を点数化したものです。
一般的に認可保育園を利用する保護者は共働きの方が多いです。
公表されている自治体の基準表をみても、最初の項目は両親の就労状況になっています。
例えば東京都豊島区の基準指数表を見てみると…
このようになっています。
父・母ともに就労日数、時間で点数が算出されていますね。
大体月20日以上、1日8時間以上が最高点の20点になっています。
この辺はフルタイムで勤務する方であれば最高点に達します。
ですので、基準指数は大体似たり寄ったりの点数になるケースが多いです。
特に待機児童が多い自治体では、この時点で同点の方が多数でる事が分かると思います。
フルタイムの世帯以外の基準指数は?
すべての家庭が両親共働きフルタイムとは限りません。
認可保育園に通う方は介護や出産、就学などの理由でも入所が可能です。
ですので、それぞれの状況により指数が異なります。
例えば先ほどの豊島区の例だと
・不存在20点
・心身障害も最高で20点
・出産は14点
などとなっており、状況によってフルタイムの方と同じ点数になります。
一方、さいたま市の例を見てみると
・不存在24点~60点
・障害26点~33点
・出産33点
となっております。
フルタイム家庭の点数が、基本指数最高20点+加算指数1点~3点で構成されているので、こういった状況にある家庭が優先されているのが分かると思います。
比べてみると分かる通り自治体で差はありますが、どの自治体でも就労以外の理由による家庭が不利にならない様に配慮されています。
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「調整指数」が入所のカギを握る!
調整指数とは?
調整指数は基準指数の他に家庭の状況に合わせて加点、減点を行うものです。
基準指数に加え、調整指数を加えることで各家庭の点数が算出されます。
調整指数の内容は様々です。
自治体によって多くの項目を用意している所もあれば、そうでない所もあります。
例えば世田谷区の場合
調整指数として用いられている表は全部で30項目からなっており、項目ごとに加点・減点が定められています。
細かく定めている印象がありますね。
他にも千葉市のケースでは、世帯で1つの適用とする調整指数1と、該当項目ごとに加点、減点が適用になる調整指数2という項目に分かれています。
このように自治体によって調整指数の内容は異なります。
一見、複雑そうに見えますが、じっくり読んでみるとそれほど難しくはないので、慌てず読んでみることをお勧めします。
調整指数で点数をとれる所はとにかくやっておく方も
1点でも調整指数を多く稼ごうと考える家庭は多いです。
もちろんできる事に限りはありますが、とにかくどこかに預けなきゃいけないという方は一生懸命方法を考えます。
私が小規模保育事業所で園長をやっていた時は一時保育を定期的に利用して実績を作っていた方がいました。
待機児童が多い自治体では認可外保育施設であっても入所が難しい事もありますが、ベビーシッターなどでも利用した実績があれば加点の対象になることが多いです。
その際は月〇〇時間以上や〇日以上といった条件が課されていたり、受託証明書の提出を求められることもあるので条件を確認しましょう。
保育園で働く保育士は入所が有利になるケースも
自治体によっては保育士や保育教諭として働く家庭に加点をする所もあります。
例えばさいたま市は市内の保育園で勤務、または勤務予定の保護者には+9点の調整指数が加算されます。
小規模保育施設などの卒園児や生活保護世帯の調整指数よりも高い加点になっているのが特徴になっています。
保育士不足に対する対応策の一つとのことですが、他の自治体でも数点の加点をしている所があります。
例えば板橋区は
保育士として勤務する方に+2点の加算を行っていますね。
さいたま市ほどではありませんが、2点の加点も大きいです。
一方で、保育士に対する加点がない自治体も多いので、基準表が公表されていれば確認してみてください。
保育士の資格を持っている、または、取得を検討している方は、保育士として勤務して加点を得る方法が良いと思います。
基準指数と調整指数で同点の場合はどうなる?
認可保育園の申し込みは点数化しているが故、同点になるケースが多くあります。
その場合はどうするのかというと、各自治体で定めている同点の場合の優先順位というものが存在します。
例えばさいたま市の場合、
(虐待などで通告されたケースなど)2、育成支援児
(特別な支援が必要な児童)3、不存在 以下15番目まで続く
この様に自治体別に定めている優先順位に従って入所者を決めます。
大抵の自治体で同点の場合の優先順位を設けています。
傾向としては緊急性の高い家庭、支援が必要な家庭などが優先順位が高くなっています。
同点となった場合の対応も確認しておくと良いと思います。
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入園申し込みまでにやっておきたい事は?
保育園の見学は必須です
どのご家庭も忙しくされていると思いますが、利用する可能性のある保育園は必ず見学した方が良いと思います。
・園長先生や保育士の雰囲気
・保育内容、園の保育方針
・子どもたちの雰囲気
などなど
今はインターネット上にも情報が載っていることが多くなりましたが、やはり直接目で見て確かめたいところです。
直接見て聞くことでより安心感が持てますし、預けた時のイメージも湧くと思います。
さらに、自宅から園までのアクセスなども確認できます。
通い始めて通園が思った以上にきつかったということはよくある話です。
晴れの日ばかりではなく、雨の日や雪の日もありますからね。
一時的な入所ならまだしも、子どもが最大6年間通う可能性もありますから、見ておきたいポイントでもあります。
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余裕を持った申し込みを
認可保育園への入所は秋ごろに申し込みが始まります(4月入所の場合)。
その他の月の入所は上旬に締め切り日が設けられています。
できる限り日取りに余裕を持って申し込みを行いましょう。
保育園として見学の受付などをやっていると良く出会う事例でもありますが、慌てて見学をしている方は毎年のようにみられます。
早い方は1年以上前からやられていますが、そんなに早くからでなくても半年くらいは時間をかけても良いのかなと思います。
また、余裕をもって申し込みをすることで、申込書類の訂正・不備にも十分に対応ができるようになります。
訂正、不備は極力無くすのがベターですが、ミスは誰にでも起こり得る事。
書類の不備があると何度も提出しなおす破目になりますし、期日ギリギリの訂正や不備は焦りと労力を使います。
必要書類が期日までに揃わないと最悪の場合申し込みができなくなる可能性もありますのでお気を付けください。
生活リズムを意識してみる
保育園に預けた後の生活リズムを意識してみるのも良いと思います。
・ご飯にどれだけ時間がかかるか
・その他の家事に費やせる時間の把握
・帰宅後から就寝までの時間
などなど
今はおおよその時間の時間しか把握できないと思いますが、入園が決まってから急にリズムを変えるのは子どもに大きな負担がかかる可能性もありますし、大人もつらいです。
ですので、少しずつ入園後の生活リズムに合わせて生活していけると家族の負担も軽くなると思います。
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保育指数の仕組みを理解して保活をしよう
ここまで保育指数の仕組みについて解説してきました。
一見難しそうに思えますが
基本的にはこのように覚えておけば間違いないですし、インターネット上に公表されている基準表などを参考に、大まかな数字を算出する事ができます。
細かな内容は自治体によって異なるので、必ず下調べをしておきましょう。
保育課などでも分からない点は教えてくれるはずです。
そして、入園に向けて
・余裕をもって申し込みをする
・入園後の生活リズムを意識する
できる事は早めにやっておいた方が良いと思います。
保育園の見学についてはリンク先の記事も参考にしてみてください。
保育指数について理解し、認可保育園入園にむけて良い準備が行えると良いですね。
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