どうも!保育士園長のまゆあです。
今回のテーマは「保育業界における学び場イト」です。
学び場イト(まなびばいと)って何だと思いますよね?
今、保育業界はもちろんのこと、その他の業種においても
人材の採用が難しい時代と言われています。
さらに定着させるとなると中々長続きしない現状もあります。
そんな時代において学び場イトとは、採用したアルバイトやパートの方に対し、
学びの場を提供することによる人材定着を主な目的としています。
すでに取り組んでいる企業の中には採用が上手くいきはじめたり、
業績の向上に繋がってきている所もあるようです。
ここでは新しいトレンドでもある学び場イトが保育業界の人材定着に活用できるか、考えていきたいと思います。
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保育業界にも広がる?学び場イトとは
今年で10回目になる、リクルートホールディングスが発表しているトレンドの予測の一つに「学び場イト」というものが挙げられています。
これは、採用したアルバイトやパート職員に対して
賃金を上げる事以外の方法で人材定着に向けて取り組みを行う事で、
長い目で人材定着・育成を図ろうというものです。
学び場イトの背景には、企業が人材を採用しても中々定着せず、
すぐに離職してしまう事や、若い方を中心に
自分自身の成長の為に働いている人が増えている現状があります。
企業は今後正社員以外の社員の教育面に力を入れていくと予想されており、
その規模は今の2~4倍と見込まれています。
皆さんご存知の通り、保育業界は人材不足に陥っています。
人材不足の背景には労働環境や人間関係、賃金など様々な理由がありますが、
それでも保育士を目指したり、保育園で働きながら
資格取得を目指す人は多くいるのも事実です。
そんな方に対し、お仕事をしながらスキルを身につけられる環境を用意出来たら長く働いてくれそうに思いませんか?
学び場イトを保育業界でどう活かせるか考えてみました
実技を実践的に学ぶ場を提供し、経験を増やす
学校の授業や実習だけでは実技を十分に覚える事はできません。
また、独自で保育士資格を取ろうと考えている方も同様です。
保育の中の実技としては…
・おむつ替えや着替え
・ピアノや歌
・保育の活動設定、実施
など、様々なものがあります。
もちろん、自力で覚える事も可能だと思いますが、
子どもの前になると緊張したりして上手く出来ない事も多いですし、
きょうだいに赤ちゃんがいない限りはおむつ替えを毎日の様に行う事はできないと思います。
保育園で働いていれば実際の子どもを相手にできますし、
それをプロの保育士として働いている方がアドバイスし、
実際の学びの場として提供すれば、沢山の経験が積めます。
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月案や週案などの書類作成方法を知り、行えるようになる
保育では書類作成も重要な仕事になります。
普通のケースだと、アルバイトやパート職員が書類作成を行う事はまずないと思います。
(もちろん、携わっている保育園もありますが)
保育士は年案をはじめ、様々な書類を作成する機会がありますが、
そういった書類作成も学べるようにします。
保育所保育指針で保育の方向性は示されていますが、
それをベースに各園の色をつけ足していきます。
それぞれの保育園でどの様に作成しているか、
時には練習で実際に書いてみる機会なんかがあるとより良いですね。
行事運営にも携わることで、やり方を学ぶ
行事運営の経験をするという事も、大切かも知れません。
保育園では様々な行事があります。
特に大きい行事は
・夏祭り
・生活発表会
あたりでしょうか。
行事はただ行えばいいものではありません。
保育の延長線上にあるもので、決して行事の為に行うものではありません。
何のねらいがあっておこなうのか、一つ一つに意味を持たせないと
子どもの成長にも繋がりません。
お手伝いや補助で入る事はあるにせよ、立案・スケジューリング・全体把握などは
実際に保育士になってはじめて経験する事がほとんどでしょう。
アルバイトやパートだと、勤務時間の関係もあるので全ては行わないにせよ、
どういった事をしているのかを実際に参加しながら携わる事ができると
大きな経験になると思います。
保育園側も戦力となる人材を獲得できる
アルバイト時代に沢山の経験をした方が入職する、
パート職員もより実践的に保育に携われるなど、
保育園側にも沢山のメリットがあります。
子どもにとってもいきなり新しい人が入ってくるより
知っている人が引き続き働いてくれれば、
気持ちも落ち着きますし、信頼関係も築きやすいでしょう。
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学び場イトの懸念される点
もちろん、全ての事が上手くいくとは思いません。
懸念される点がいくつか考えられます。
従来のアルバイトと同じ事をさせてしまう
学び場イトはその職業について「学ぶ」という視点が無くてはいけません。
その視点を忘れ、雑用ばかりさせてしまう、
補助ばかりで実践の場が無いとなると、
あまり意味のないものになってしまいます。
現場の負担が大きくなる可能性
実際に指導する人が不可欠になりますので、現場の負担が大きくなる可能性があります。
人数や保育に余裕が無い状態だと、十分に教える事が困難になります。
ですので、本来の保育士業務の負担軽減なども並行して行う事が必要です。
もちろん、毎日行う必要はないのかもしれませんが、
できるだけ学びの機会を提供できると効果は上がると思います。
保育士の質の問題
保育士の質の問題も絡んでくるでしょう。
これからは保育士も質を求められる時代です。
質が低い保育士に指導されても、良い効果は得られません。
ですので、教える側のスキルも上げていかなくてはならないわけです。
逆を言えば、保育士さんたちにとっても自分の保育や知識を見つめなおす場にもなりますね。
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立場を利用したハラスメント
教えていて、中々上手く出来なかったりすることもあると思います。
そういった時に、上の立場の人が「なんでできないの?」とか、「わざわざ教えてるのに」といった態度や言動をとるとパワハラになりかねません。
本人はそういうつもりが無くても、
相手が思った時点でハラスメントになってしまいます。
一般的に正社員よりもアルバイト・パートの方が低く見られがちです。
立場を利用したハラスメントが起こってしまうと、人材育成・定着には程遠い職場となってしまうでしょう。
保育業界の人材不足を解消する一手になるか
保育業界だけでなく、人材不足に泣く業界は沢山あります。
一般の会社であれば、儲けた資金を回す事ができますが、
保育業界は補助金で運営する所がほとんどですので、中々資金を入れるという事はできないかもしれません。
ですが、工夫次第ではそれほど資金も要りませんし、取り組みを行うことで得られるメリットはとても大きい様に感じます。
学び場イトとして取り組みを行っている保育園に
国が補助金を出してくれればより取り組みが広がると思います。
新しいトレンドである「学び場イト」が
保育業界の人材不足解消の一つの方法になってくれれば、
状況も変わってくるかもしれませんね。
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