どうも!保育士園長のまゆあです
今回のテーマは「男性保育士に必要なもの」です。
・男性保育士と一緒に働いている方
向けへの記事になります。
男性保育士の数は年々増えています。
世間にも認知されてきていますし、重要性の理解も進んできています。
一方で男性保育士に対する目が厳しいのも事実です。
特に女の子を育てている保護者は男性保育士に対して厳しい目を持っています。
その状況において何が必要かという事ですが、先に結論を言うと「信頼」という答えになります。
「信頼が必要なのって女性も同じじゃん」
という声が聞こえてきますが、それでも特に必要になる理由をお話していきます。
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もくじ
男性保育士の歴史と現状は?
以前の保育業界は「保母」と呼ばれる職員が保育にあたるケースが多く、女性が働くイメージが強かったです。
そもそもが女性が職に就くことを前提として資格が制定されていたので、男性が保育の現場に入ることすらできなかった時代がありました。
男性は「保父」と呼ばれた時代もありました。
ですが、あくまでも俗称のような感じで呼ばれていた為、正式な資格名は「保母」のまま。
男性にとっては働きづらい業界でした。
その後、1999年4月に児童福祉法が改正され、「保育士」という名称に変わりました。
背景にあったのは同年に改正された男女雇用機会均等法。
これを機に男性でも保育士を目指す人が増えたのです。
だが依然として男性は少ない
あなたは男性保育士がどのくらいいるかご存知ですか?
2015年の国勢調査によると保育士として働く人の総数は542,600人。
そのうち男性保育士の人数は15,900人となっており、
保育士全体の約3%にとどまっています。
国勢調査は5年ごとに行われる調査ですので、2019年11月現在の人数は恐らくこれよりも増えていると思われます。
それでも3~5%程と言われており、まだまだ少ないのが現状です。
男性保育士自体は以前よりも注目されており、採用する保育園も多くなりました。
ですが、未だに一部の保育園では「うちの保育園は男性を採用していません」と電話口ではっきりと言われるケースもあるようで、難しい側面もあります。
私も職場を変えたときにはっきりと言われた経験があります。
これはこれでショックなできごとでした。
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世間を騒がす男性保育士の不祥事が与える影響
毎年の様に起こる男性保育士の事件
時折ニュースになりますが、男性保育士が性的事件をおこしたり暴力事件を起こす事が毎年のようにあります。
大阪の私立保育園で男性保育士がわいせつな事件を起こし、逮捕された事件がありました。
他にも仙台では男児のことを金属製の水筒で殴打し、裂傷を負わせる事件も起きています。
このほかにも同様の事件は起こっており、ニュースにならないだけで、実際にはもっと多くの事件が起こっているのではないかという推測もあるくらいです。
一度起こると「全てそう見られる」現状
ニュースなどでこれらの事件が取り上げられると、正直「またか」と思ってしまいます。
というのも「全ての男性保育士がそうなのではないか」という目で見られるからです。
ネットのカキコミなどは半信半疑な部分もあるため全てを鵜呑みにするわけにもいきませんが、一度起こると批判の声が多く集まります。
もちろん、我が子が性的対象になってしまうのではないかという不安を感じる保護者の気持ちも分かります。
私も子どもがいますので、そう見られたら嫌な気持ちになるのも事実です。
ですが、真面目に業務をこなしている男性保育士が圧倒的に多いのも事実なので、こういった事件が起こるとみんな同じ事を思うのではないでしょうか。
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男性保育士は女性以上に「信頼」が必要
保育士という職業は信頼で成り立っています。
それはもちろん男性・女性関係ないと思います。
ですが、男性は「特に」信頼される必要があるのです。
信頼は子どもからだけではない
保育士として働くには子どもからの信頼を得ることが必須です。
子どもも大人の心情を上手く読み取りますので、何となく「嫌だなぁ」とか思っていると中々近寄ってこなかったり、抱っこしただけで泣いてしまう例も多くあります。
また、子ども以外にも信頼を得るべき人は多くいます。
保護者
地域住民
役所関連
園で取引がある業者など
特に保護者の方からの信頼は必要であり、ここを躓いてしまうと今後保育士として働く上で大きな壁となってしまう可能性があります。
信頼は「得にくい」と心得ておくべし
保育業界において男性が周りから信頼されるようになるには時間がかかることを心得ておいてください。
子どもはなれるのも早いですし、保育する中で一緒の時間も多いので
成長の時期にもよりますが割と早く信頼関係が築けると思います。
ですが、相手が対大人(保護者や職員など)になると、価値観が違ったりそもそも人間的に合わないというパターンもあります。
そんな中でも保育をして子どもを預かる以上、何らかのやり取りは発生しますが、お互いに合わないなと感じていると打ち解けるのも時間がかかります。
男性保育士として信頼を得るには
丁寧さを心がける
女性とは異なり、男性は丁寧でない印象を持っている方もいます。
なので丁寧にやろうとする努力をしたほうが良いです。
丁寧さを求められる所として
・話をよく聞いているか
・字の綺麗さ
・整理整頓できているか
などが挙げられます。
「自分は不器用だから」と諦めてしまうのではなく、
不器用なりに努力をする事が大事であり、
そこで成長した姿が見られると人として信頼されると思います。
私自身も雑な部分があり、よくそこを指摘されました(中々直せなかった・・・)
指導する立場に立ったいまでも雑になってしまう部分がでてしまう事もあるのですが、昔と比べると丁寧にできるようになってきたかなと思っています。
明るく笑顔に元気よく
これも必須だと思っています。
あなたは笑顔が少なく、元気がないような保育士の側に子どもはやってくると思いますか?
きっとやってこないという答えになるのではないでしょうか。
表情が暗かったりすると、周りの人も何となく近寄りづらくなってしまいますよね?
逆に明るい人・笑顔が多い人・元気な人というのは好かれやすい傾向にありますし、自然と人が集まってきます。
全てがそうとは限らないかもしれませんが、明るく笑顔で元気よくというのは大切な要素であると思います。
初めは緊張したり自信の無さから明るく見られない事もあると思います。
私がそうでした。
でも、少しでも笑顔を見せたりしているとそのうち慣れと自信につながって行くので継続していきましょう。
できる限り話を聞く姿勢を持つ
話をするのもそうですが、聞く姿勢を持つのも信頼を高めていく秘訣です。
どんな職場でも相談されやすい人がいると思います。
なぜその人に話をしにいくかというと、「相手を信頼している」からなんですね。
保育の現場でも同じです。
・愚痴を話すなら内容を漏らさないあの先生に
・子育ての相談は○○先生じゃなきゃできない
なんとなく想像つきませんか?
話を聞いてもらえると相手は安心します。
それは子どもであっても大人であっても同じです。
「話をきいてくれる存在」になるというのも大事な事ですね。
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積極的な行動も信頼をつくる
人は消極的な人より積極的な人のほうに惹かれがちです。
積極的過ぎるのも敬遠される原因になったりしますが、
通常の仕事を率先して行ったり、
前もってしっかり保育の準備を行っておくなども信頼を得やすい行動と言えます。
ここで気をつけたいのが、積極的な行動が無理を招いてしまう事です。
人にはそれぞれキャパシティ(どれだけ受け入れられるか・容量)があります。
沢山の事を受け入れて行動できる人もいれば、少しずつしかこなせない人もいると思います。
よく「キャパオーバー」と表現されますが、無理してこなそうとすると身体を壊す原因になったり、中途半端になってしまうおそれがあります。
頑張る気持ちは分かりますが、自分がどれくらいのことを行えるのかは知っておいたほうが良いです。
女性でも信頼は必要だが、男性はそれ以上に必要
男性保育士には特に信頼が必要というお話をしました。
もちろん女性も信頼は必要であり、本来性別で語られるようなことでは無いのかもしれません。
しかし、男性保育士を取り巻く環境はお世辞にも向上しているとは言えない現実もあります。
一定の理解は進んでいても、現状だとまだまだ足りていないと思います。
私自身は幸いなことに保護者には恵まれ、0歳児クラスの担任をしてもおむつ替えをやめてくださいなどといった言葉は言われたことはありませんでした。
しかし、初めて勤めた園の上司からは男性ということで嫌な思いされたことがあります。
他にも働いていた系列園の男性保育士は「着替えをさせないでください」と言われた方もいます。
専門性が高い仕事ですし、個人の資質によっても左右されますが、
男性保育士は信頼されて初めてスタートラインに立てるといっても過言では無いのかもしれませんね。
そしてゆくゆくは男性女性関係なく「保育士」というだけで信頼されるような社会になって欲しいと願うばかりです。
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男性保育士に読んでもらいたいおすすめ本
まずは今津太陽さんの「男性保育士の社会をちょっと変えてみた話」です。
男性保育士目線で書かれていますが、女性の方、保護者の方など、子どもに関わっている方にとって参考になるお話になっています。
悩んでいる時に読めば活力を貰えますし、こういった活動をしている方がいるという事を知るだけでも勇気をもらえる本です。
私も定期的に読み返しています!
男性保育士としてと言うよりも「私らしく」生きていく姿はとても素晴らしいと思います。
小崎恭弘さんの「男性保育士物語」です。
兵庫県西宮市の男性保育士第一号として知られる小崎さん。
今でこそ男性保育士に対しての理解が進んでいますが、当時はまだまだ男性保育士に対する認知度も低ければ、半ば偏見の様な見られ方をされていたようです。
サブタイトルには「みんなで子育てを楽しめる社会を目指して」とあります。
まさに子育てにおいて究極であり、目指したい社会であります。
孤軍奮闘の時代を経て今後の社会をどの様な物にしたら良いのかの指針となる名著。
発売から10年以上経っていますが、今後も読んでいきたい一冊です。
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