どうも!保育士園長まゆあです。
今回は「会食恐怖症」についての記事となります。
先日、会食恐怖症について話を聞く機会がありました。
会食恐怖症とは簡単にいうと「人前でご飯などを食べることが苦痛に感じる症状」のことを指します。
その原因は様々ですが、中には「保育園時代の給食」を原因に挙げている方もおります。
保育園に勤めている身としては、こどもたちに辛い思いをさせるわけにはいきません。
そこで今回は会食恐怖症を引き起こさないために保育園で何ができるのか、どんな配慮をしていくべきなのかを考えてみました。
まだまだ一般に知られていないですが、こどもたちにとっても大切なことですので、真剣に考えていきましょう。
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会食恐怖症をご存じですか?
みなさんは会食恐怖症をご存知でしょうか。
会食恐怖症とは他人との食事(会食や給食など)時に
・ふるえ
・発汗
・動悸
・パニックになる
上記のような症状が会食時に現れるというものです。
分類的には社交不安障害(精神疾患)の一種といわれています。
その原因は様々です。
・家庭の食事
・ストレス
・食事の場で起きた嫌な出来事
上記にまとめた通り、原因は様々ですが、中には小学校や保育園などで出される給食を原因に挙げる方もいらっしゃることが分かりますね。
給食を原因になるということは、私たち保育者も切っては離せない問題になるのではないでしょうか。
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原因の一つに挙げられる「給食」
例えば給食の最中にこんな関わり方をしたり、見たことはありませんか?
・無理にでも食べさせようとする
・給食中でも叱ったりする
・ストレスがかかるような雰囲気を作る
こうした給食中の行為がこどものストレスになっていきます。
こども自身もすぐに自覚しなくても、あとからきっかけを思い出した時に「あの時かも」となるようです。
要は保育者や先生の不適切な関わりが、症状を引き起こすことになります。
その中でも特に指摘されるのが「完食指導」。
完食するまで給食を終えられない、無理に食べさせるなどの関わりが原因となるケースが多くあります。
給食時の関わりが原因の一つであれば、こどもと関わる保育士をはじめとした保育者は、今一度不適切な対応になっていないかを見つめ直す必要があるのではないでしょうか。
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保育園でできること、やりたいこと
①無理強いさせない
当たり前の事ではありますが、無理強いは厳禁です。
もちろんみなさんの中にも、こどもたちに完食して欲しい、少しでも食べてほしいという気持ちがあると思います。
しかし、こどものペース、食べる力、食欲などを無視した給食介助は関わりとしては不適切ですし、なにより虐待にもなってしまいます。
こどものことをよく観察するとわかりますが、同じ時間の中で食べられるこどもとそうでないこどもがいるはずです。
同じメニューでも好きな食材と嫌いな食材がこどもによって違うと思います。
そもそも一斉に食べはじめて一斉に終わるということが無理なのかもしれませんよね。
ここで無理強いさせてしまうとこどもにとって給食の時間が「嫌な時間」として記憶させてしまいます。
4歳、5歳くらいの記憶は大人になっても残っている方も多いので、この時の出来事が後々影響がでてしまう可能性もあるでしょう。
②時間にゆとりをもつ
給食など食事の時間はゆったりとした雰囲気で食べられたほうが良いです。
その為には時間にゆとりをもって行動する必要があります。
しかし、保育では突発的なできごとによって、時間がおしてしまうこともあります。
リカバリーできれば良いのですが、負の連鎖になってしまい、さらに慌てるような結果になることだってあります。
慌てて食べる給食の時間はどこかに無理が生じているはずで、こどもの都合より大人の都合によって場が動かされてしまいます。
保育の時間を管理しているのは保育者たち。
時間のゆとりが無くなることは、言わば大人の都合にこどもたちが振り回されてしまうといっても過言ではありません。
ゆったりとした時間の中で給食を味わうこと。
給食を通して友達との関わりも楽しむこと。
ゆったりとした時間が取れればこどもたちにとっても有意義な時間になります。
また、保育者も気持ちのゆとりを持つことができます。
時間のゆとりを持つことはこどもと保育者、お互いにとって大事なことですね。
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③完食を目指さない
保育園などではどうしても給食の完食を目指しがちになります。
完食すれば保護者の方も安心ですし、食べた分だけ成長にも繋がります。
しかし、「完食する事が目的」となってしまうとどうでしょうか。
完食しない・できなかったこどもに対して、どうにか完食してもらいたいという気持ちに変わってしまうのではないでしょうか。
完食しなかったこどもに対して無理に食べさせようとする。
時間がかかっても食べ切ろうとする。
これではこどもの気持ちや食欲などを無視する関わり方になってしまいますよね。
保育所保育指針にも「完食しなければならない」といった言葉は記載されていません。
そもそも給食は完食を目指すものではなく、食事を楽しむ、食材の味や種類などを知るといった目的があります。
無理に完食させようとして、嫌な記憶に繋がることが無いようにしていきましょう。
④給食を楽しむ雰囲気作り
給食を楽しむ雰囲気をどれだけ意識して作っているでしょうか。
普段から焦って給食介助をしたり、慌ただしい雰囲気が保育室内に漂っていると楽しむ雰囲気を作る事ができると思いますか?
こどもたちは楽しいと思うでしょうか?
きっと給食を楽しむ気持ちにはならないですよね。
むしろ、大人のピリピリした雰囲気とかを感じ取ってしまい、ストレスになってしまうこともあるでしょう。
給食を楽しむ雰囲気を作るなら、まずは保育者が楽しむ事。
保育者自身も気持ちの余裕を持てるようにし、楽しむ空気を作り出してみると良いのではないでしょうか。
⑤小学校との連携
保育園を卒園し、小学校に入学する際に連携をとります。
その一つが「保育要録」ですが、要録で書ききれなかったことや、直接伝えたほうが良いことがあれば、別途お伝えする場を設けています。
その際に給食で配慮すべきことがあれば、記載、または伝えるべきだと思います。
私がこどものころは昼休みになっても残って食べさせられているケースがありました。
今は昔と比べて小学校でも給食に関して配慮してくれる学校は増えたように思います。
ただ、全ての学校がそうかと言われたら違います。
小学校側が給食に関して配慮した方が良いことを把握していなければ、支援の輪が途切れてしまうことになってしまいますよね。
保育園側としても、こどもを卒園させたら終わりではなく、地域の施設として卒園後も継続して見守れる体制が整っていると良いです。
個人的にはこの点はかなり重要だと思っています。
しっかりとした連携が取れていなければ、保育園での取り組みが小学校に行ったら途切れてしまうわけです。
せっかく良い取り組みを行なったとしても、連続して行わなければ意味がないですよね。
小学校の給食を原因として挙げる方も多くおりますので、この点はとても大事になると思います。
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まずは知ることから始めてみましょう
会食恐怖症はまだまだ一般への理解が進んでいない面もあります。
今回私がこうして書いているのも、会食恐怖症というものがあるのを知り、小さいときの給食が原因という声があったからです。
私は正直言えば会食恐怖症ではないので、当事者の気持ちはわかりません。
しかし、こどもと関わる職業就いている者として、保育園に勤める者として、できることがあるのではないか。
ましてや、幼少期の給食を原因に挙げている方がいるのであれば、やるべきことがあるのではないか。
そういった想いから取り上げて書いてみました。
実際、私の園の職員は会食恐怖症について知らない人ばかりでした。
話をしてみると一様に驚いたり、私もそうだったのかなぁと言う方もいました。
一般にはまだ浸透していないと思われる会食恐怖症。
まずは知ることから始めてみませんか?
そして、保育の現場に勤めている方は、預かっているこどもたちが将来困らないように、今一度自身の保育を見つめ直してみましょう。
きっと私たちにもできることがあるはずですよ。
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