保育における「援助」と「支援」の違いについて学ぼう【保育書類の質を上げる】

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繋ごうとしている手

どうも!保育士園長のまゆあです。

今回は「保育における援助と支援の違いについて」です。

保育において援助や支援と言う言葉は良く聞かれる言葉だと思います。
保育士同士の会話の中でもこれらの言葉を自然と使っているのではないでしょうか。

では、その違いはどこにあるでしょうか。
援助も支援もとても似たような言葉ですよね。

保育所保育指針の中でも出てくる二つの言葉。
この二つの言葉の意味や使い方を理解すると保育はもちろんの事、保育書類の作成業務にも活かせます。

保育士なら違いは分かって当然と思う方も多いと思いますが、現場で保育書類を見ていると意外と使い分けができていないケースも見られます。

保育士園長まゆあ
今回はそんな「援助」と「支援」の違いについて学んでいきましょう。



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保育所保育指針でも使われている「援助」と「支援」という言葉

保育室で遊ぶ子ども

保育において「援助」と「支援」は良く使われる言葉です。

保育所保育指針をはじめ、保育書類、行事などの立案書、保育士同士や保護者との会話の中など、保育園に関わるいたるところで自然と使っているのではないでしょうか。

例えば保育所保育指針にはこの様に使われています。

援助
④ 子どもの発達過程等に応じて、適度な運動と休息を取ることができるようにする。また、食事、排泄、衣類の着脱、身の回りを清潔にすることなどについて、子どもが意欲的に生活できるよう適切に援助する。
保育所保育指針 2020.1.31閲覧
支援
イ 子どもに障害や発達上の課題が見られる場合には、市町村や関係機関と連携及び協力を図りつつ、保護者に対する個別の支援を行うよう努めること。
保育所保育指針 2020.1.31閲覧

ぱっと見た感じ、どちらの言葉を使っても問題ないように思えます。

しかし、実際のところはある程度の使い分けがなされています。
当たり前の事ですが、適当に使っているという事はありません。

ところが、現場で保育士の書類を見ていると、この2つの言葉が混同して書かれているケースを見ます。

適宜修正はしますが、保育士に話をしても中々意味合いが通じないこともあります。

いまりちゃん
確かに初めはどっちで書いたら良いのか悩んだ経験があるわ



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「援助」と「支援」って似ていますよね

考える女性

援助と支援は似ている言葉です。
似ている言葉ゆえに迷いを生みやすいと言っても良いかもしれません。

援助と支援は最終的には相手(子どもや保護者など)がその事をできる様になる事を目的とした言葉です。

同じような意味合いならどちらでも良いじゃんと思いますよね?
ですが、この2つの言葉は、そこに達するまでの過程がやや異なります。

日本語は世界的に見ても難しい言語です。
類義語であってもそれぞれで言葉の使い方があります。

この2つの言葉の意味を理解すると、保育書類作成業務や保育自体においても活かすことができます。

保育士園長まゆあ
次に2つの言葉の違いをお話していきます



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保育における援助と支援の違いは?

援助は「実際に手伝ってあげる要素がある」

ご飯を食べさせてもらっている子ども

まずは援助ですが、これには相手に代わって行うという意味合いを含みます。

つまり、できない事を代わりに行ってあげるという事です。

例えばこんな行動
・乳児クラスの食事
・0歳児クラスでの衣服の着脱
・おむつを替える
・遊びの中での友だちとの関わり
・子どもの想像力を膨らませる様な読み聞かせ

上記は一例ですが、なんとなく想像できますよね。

基本的にはその人ができないことを助けてあげるという意味合いになります。
ですので、保育士が直接手助けしているイメージです。



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支援は「見守っていく意味合いが強い」

ご飯を自分で食べる子ども

次に支援です。

支援には相手の事を見守っていくという意味合いを含みます。
つまり、直接的には保育士の手を借りない事を意味します。

これが援助との大きな違いです。

例えばこんな行動
・保護者の悩みに応え、見守る
・子どもが自分の力で身の回りの事をする

などなど。
やや広義なイメージですね。

比べてみると「あ~なるほど」と思えるのではないでしょうか。

支援は保育士がなるべく手を出さないで自分の力でできるようにする。
ひな鳥が親鳥から巣立つイメージになるでしょうか。



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援助と支援の違いが分かれば保育書類の質も上がります

援助と支援。
似たような言葉でも意味合いが違う事がお分かりいただけたかと思います。

意味合いが分かると保育書類にどう書いたら良いのかが分かるでしょう。

実際に園長として書類のチェックをしていると、文章に違和感を抱く時があります。
その一つがこれなわけです。

例えば0歳児クラスの保育書類で衣服の着脱について記載する場合、「子どものを衣服の着脱を支援し」という文章は違和感ありますよね?

自分で行うのがまだまだ難しい年齢ですから、この場合は「援助」という言葉の方が適切ではないでしょうか。

一方、同じ事柄でも5歳児クラスであれば支援という言葉の方が適切になるでしょう。

また、保護者への対応として「援助」という言葉はあまり使われないと思いませんか?
基本的には「保護者支援」となるはずです。

保護者に代わってそのことを行うというケースは恐らくないですからね。
子育てに困っている保護者に対して代わりに子育てをすることはないと思います。

保護者がそのことをできるように見守りながら、時には話を聞いたり助言するなどして寄り添いながら関わっていく事が大事です。

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援助と支援をしっかり理解して保育しよう

保育イメージ

「援助」と「支援」
この2つの言葉の意味をしっかりととらえることで保育書類もしっかり仕上げられます。

対子どもにしても、保護者にしても相手に代わって行うだけでは保育の専門性は発揮されないと思います。
何でもかんでも代わりに行っていては育つものも育ちませんよね。

初めは援助しつつ、成長・発達の段階を見ながら徐々に支援に移行していく。

支援する事こそが保育士としての専門性を発揮する機会でしょうし、その土台として援助があるわけです。

2つは別物とはいえ密接な関係にあるのもポイントです。

保育園は子どもにとってとても重要な期間を最長で約6年間過ごす場です。
援助と支援をきちんと理解し、保育に活かしながら子どもや保護者にとって最善な道を選べるように関わり合っていきたいですね。



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